陶芸 / Ceramics

山田 誠

Makoto Yamada, Ceramicist
東京・代官山
陶土を成形する山田誠氏の手

山田誠は、東京・代官山に工房を構える陶芸家だ。一九七四年、岐阜県多治見市に生まれた彼は、地元の伝統的な陶磁器文化の中で育ち、幼い頃から土と親しんできた。多治見工業高校の陶磁科を卒業後、京都の陶芸家・村木通雄に師事し、十年間の内弟子生活を経て独立。現在は代官山の小さな工房で、茶器や食器を中心とした作品を制作しながら、定期的にワークショップも開催している。

山田の陶芸は、伝統的な技法を礎としながらも、現代の生活に根差した造形を探求していることが特徴だ。「美しいものは、使われてこそ完成する」という彼の言葉が示すように、彼の作品は飾られるためではなく、日々の暮らしの中で手に取られ、触れられ、使い込まれることを前提に作られている。土の質感、釉薬の偶発的な表情、ろくろで生まれる微妙な歪み——そうした人の手の痕跡が、彼の作品に生命を吹き込む。

制作に向き合う手元

制作へのアプローチ

山田の一日は、工房に入り、前日の土の状態を確かめることから始まる。陶芸において、土は生き物だ。季節によって、湿度によって、その日の温度によって、土の性格は微妙に変化する。一つとして同じ日がないように、一つとして同じ土の状態もない。彼はその変化を読み、土と対話しながら、その日の成形を決める。

ろくろを回すとき、山田はほとんど意識的に「作ろう」としない。「手が覚えていることを、邪魔しないようにする」と彼は言う。長年の修業で体に刻まれた動きが、土の抵抗と対話しながら、形を生み出す。作家の意図と、土の意志と、炎の偶然性——この三者の共作が、彼の作品だ。だから彼は、「自分が作った」とはあまり思っていないという。

釉薬の調合は、山田にとって最も秘密に満ちた作業だ。灰釉、鉄釉、藁灰釉——伝統的な釉薬を基本としながらも、彼は常に新しい素材との組み合わせを試みている。最近は、代官山の街路樹から集めた落ち葉を焼いた灰を釉薬に混ぜる実験を続けている。「使う土地の素材で器を作る。その器で食べ物をいただく。その循環に美しさがある」という思いから生まれた試みだ。

歩みの記録

1974

岐阜県多治見市に生まれる

日本有数の陶磁器の産地、多治見市に生まれる。幼少期から窯元が並ぶ街で育ち、土や炎との親しみを体に刷り込んでいく。祖父が趣味で陶芸をしていたこともあり、小学生の頃からろくろに触れていた。

1993

京都・村木通雄に師事

多治見工業高校陶磁科を卒業後、京都の重要無形文化財保持者(人間国宝)・村木通雄の内弟子となる。以後十年間、茶陶の基礎から釉薬の調合、窯の管理まで、陶芸の全工程を徹底的に学ぶ。

2004

東京・代官山にて独立。工房「土間」設立

師のもとから独立し、東京・代官山に工房「土間(どま)」を設立。「現代の生活の中で使われる器」をテーマに、茶器・食器の制作を開始。翌年、初個展を代官山ヒルサイドギャラリーで開催。

2019

パリ・メゾン・エ・オブジェに出展、国際的評価を獲得

パリのインテリア・デザイン見本市「メゾン・エ・オブジェ」に招待出展。日本の土と釉薬の素材感を活かしながらも現代的な感覚を持つ作品が高く評価され、フランスをはじめとする欧州各国のギャラリーとの取引が始まる。

作品の哲学

「器は、それを使う人の手によって育てられる。私が作れるのは、育てられる可能性を持った器だけだ。土が記憶し、炎が刻み、人の手が磨く——そのすべてが重なったとき、器はやっと完成する。だから私の仕事は、完成ではなく、始まりを作ることだと思っている。」

— 山田誠 / Makoto Yamada

ワークショップ

山田誠の工房「土間」では、陶芸の基礎から学べるワークショップを定期開催しています。初心者の方から、より深く学びたい経験者まで、すべての方を歓迎します。

2026年 開催スケジュール

7月5日(土)
入門クラス — ろくろ体験 午前10時〜午後1時(3時間)定員8名 ¥8,500
7月19日(土)
手びねり入門 — 茶碗を作る 午前10時〜午後2時(4時間)定員6名 ¥10,000
8月2日(土)
釉薬ワークショップ — 色と素材 午後1時〜午後5時(4時間)定員6名 ¥12,000
8月23日(土)
一日集中 — 茶器セットを作る 午前9時〜午後5時(終日)定員4名 ¥22,000

※ 焼成代・材料費込み。完成作品は後日郵送または工房にて受け取り可能。
※ 場所:東京都渋谷区代官山町 工房「土間」

ワークショップに申し込む